研究概要 |
幅広い慢性実験の要求に応え得る植え込み型骨格筋刺激装置の開発研究を継続し,これまでに刺激装置開発の基礎的技術を蓄積してきた。また,骨格筋を循環補助に応用する研究の最終段階では安定した心不全モデルの作成が不可欠であり,その方法としてRapid Pacing法(高頻度で心臓を刺激し頻拍にすることで実験的に心不全状態にする方法)が有用であることが認められている。このような状況の元に,加速度センサーによる自動制御・高頻度心臓刺激モード機能付植え込み型骨格筋刺激装置の開発を継続しているが,平成11年度には以下の研究・作業を行った。 1 これまでの研究成果に基づき,量産モデルの電子回路の基本設計が新潟大学工学部の牧野秀夫博士と新潟工科大学情報電子工学科の佐藤栄一博士によって行われた。しかしながら,試作機の動作確認の段階で基板設計の一部に誤りが発見され,現在修正作業中である。修正作業が終了ししだい,動物実験で基本動作確認を行う予定である。 2 テレメトリーシステムの信頼性向上と高速化のための改良を行い,急性動物実験でその基本性能を確認した。内部消費電力が極めて微小の共振型信号伝送方式を用いて,装置とプログラマの間隔が30mmの条件で,通信速度2400bpsでの通信が可能であることを確認し,8ビット解像度の心電図をサンプリング間隔4msでディスプレイ上に表示できることを確認した。 3 これまでの研究成果を学会で公表するとともに,開発された技術および機器を展示・発表し,将来のユーザーとなるであろう研究者の意見を求めた。
|