研究概要 |
【方法】GPIIb/IIIa阻害剤としてFK633およびabciximabを、vWFとGPIbとの結合阻害薬としてaurintricarboxylic acid(ATA)、AjvW-2を、さらにProstaglandin E1をも投与し、血小板膜表面抗原(GPIb,GPIIb,PAC-1,P-selectin)、活性化血小板のAnnexin V陽性率、血小板microparticle、および血小板数の変化をモノクローナル抗体を用いて検討した。 【結果】1)血小板表面の GPIb はコントロール群で減少するが、その程度は GPIIb/IIIa 阻害剤投与により有意に抑制された。しかし PGE1、ATA および AjvW-2投与群ではコントロール群と同様低下した。 2)PAC-I(活性化 GPIIb/IIIa)、P-selectin、Annexin V陽性率および血小板microparticleはGPIIb/IIIa阻害剤およびPGE1投与によりコントロール群に比べ有意に低値を示したが、ATAおよびAjvW-2投与群ではコントロール群と同様に上昇した。 3)血小板数はGPIIb/IIIa阻害剤投与群およびPGE1投与群ではコントロール群に比べ有意に高く維持されたが、ATAおよびAJvW-2投与群ではコントロール群とほぼ同様の血小板減少がみられた。 【結論】体外循環による血小板活性化を抑制し、血小板数を維持するには vWF と GPIb との結合を阻害することよりも GPIIb/IIIa 阻害剤で fibrinogen 受容体の活性化を抑制することが効果的であることが推測された。
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