研究概要 |
現在のところ実験のプロトコールに従って,停止心移植モデル実験を遂行中である。 雑種成犬を用い,全身麻酔下に胸骨生中切開にて心臓を露出し,心機能を測定後,呼吸停止下に心停止を得る。心停止から30分後に心停止液を大動脈基部より注入し,4℃の保存液で保存した後に再灌流時間4時間となるように,体外循環下に同所性心移植を行う。人工心肺からの離脱をはかった後に再度心機能評価を行う,という実験系を確立した。 移植前後の心機能評価については,コンダクタンスカテーテル,マイクロチップマノメーターより得られる圧容積関係を解析して行った。左室収縮力の指標としてmax dP/dt,E max(収縮期末圧容積関係),preload recruitable stroke work関係,左室弛緩能としてmax(-)dP/dt,時定数を用い,移植前後での各項目の変化を比較検討した。 endothelin receptor antagonistであるFR 167653に関してその心筋保護効果については,対象群での手技に加えて,呼吸停止時に経静脈的に,および心筋保護液/保存液中に投与して移植後の心機能の差で評価を行っているが,未だ実験途中であるためまだ結論ができていない。また,抗エンドセリン抗体による免疫染色での組織学的評価に関しても現在検討中である。
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