研究課題/領域番号 |
11671326
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
濱野 公一 山口大学, 医学部, 助手 (60263787)
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研究分担者 |
郷良 秀典 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (30301310)
梶原 浩司 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (90253161)
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キーワード | CTLA4-Ig / 胎児心筋細胞 / 異種移植 / 免疫抑制 / 拒絶反応 / 生着 / 遺伝子導入 / アデノウイルス・ベクター |
研究概要 |
胎児心筋細胞移植は梗塞心筋再生の一つ治療法として近年注目されており、ラット同種胎児心筋細胞移植においては心機能の改善効果が報告されている。今回我々はCTLA_4-Ig遺伝子導入による異種胎児心筋細胞移植の可能性について検討した。 DAラット胎児心筋細胞を分離培養し、CTLA_4-Ig遺伝子をアデノウイルスベクターを用いて培養下に胎児心筋細胞へ導入した。導入効率はFITC標識した抗CTLA_4-Ig抗体を用いた免疫染色法で評価した。さらに、CTLA_4-Ig遺伝子を導入したDAラット胎児心筋細胞を正常C_3Hマウス心筋内に移植した。移植後2週、1ヵ月及び2ヵ月目にマウスを犠牲死させ、心臓を採集した。抗ラットANP抗体を用いた免疫染色法で、移植した胎児心筋細胞が生存しているが否がを確認した。対照群としてはLacZが組み込まれたアデノウイルスベクターを使用した。また、MRI抗体の併用効果は移植前(100μg/mouse)1回投与で検討した。 CTLA_4-Ig及びLacZアデノウイルスベクターはいずれもMOI50の条件下で60分間胎児心筋細胞に感染させ、3日後には約60%の感染率が得られた。CTLA_4-Ig遺伝子を導入したラット胎児心筋細胞は移植されたマウス心筋内において移植後2ヵ月目まで胎児心筋細胞に特有に発現するANP陽性細胞がみられた。そのANP陽性細胞はほとんど同時にCTLA_4-Ig陽性であることが分かった。しかし、LacZ遺伝子を導入した胎児心筋細胞を移植したマウス心筋内では移植後2週間目ですでにANP陽性細胞は確認できなかった。MR1抗体単独また併用投与したマウス心筋内にも移植後2ヵ月目までANP陽性細胞がみられた。 CTLA_4-Ig遺伝子は単離したラット胎児心筋細胞に効率よく導入された。CTLA_4-Ig遺伝子を導入した胎児心筋胞におけるCTLA_4-Igの産生は異種移植後2ヵ月目まで認められ、それによる異種移植後の胎児心筋細胞生延長効果が認められた。
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