研究課題/領域番号 |
11671338
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
三澤 吉雄 自治医科大学, 医学部, 講師 (90209742)
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研究分担者 |
小西 宏明 自治医科大学, 医学部, 助手 (00281741)
齊藤 力 自治医科大学, 医学部, 助手 (40245048)
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キーワード | 拡張型心筋症 / dynamic cardiomyoplasty / 左室容量負荷疾患 / Batista手術 / 大動脈弁閉鎖不全 / 僧帽弁閉鎖不全 / 生体弁 |
研究概要 |
1.Dynamic Cardiomyoplastyは骨格筋刺激装置の製造メーカーであるメドトロニック社が企業経営上の都合から新規患者への提供を中断したため、国内のみならず世界的に本術式の臨床応用がなされていない。神経血管を温存した左広背筋を心に被覆し電気的刺激を与えずに数ヶ月の経過後にこの被覆した広背筋と被覆しなかった右広背筋の筋繊維が組織生化学的にいかなる違いを検討する実験は終了し、データの解析中である。 2.Batista手術については、中期臨床成績の検討から多くの患者で術後2〜3年で心不全の再発が見られ、本術式の適応には患者の選択が予後を左右すると考えられている。この点を自験例と報告例から検討し報告した。Batista手術の適応として、心臓超音波検査上、左室側壁の収縮力低下例が最もふさわしいと考えられた。本術式では左室側壁を主として切除する事によって左室の縮小を計るため、理論的にも合致するものと考えた。 3.特発性・虚血生拡張型心筋症のみならず、各種の左室容量負荷疾患では、弁置換や弁形成術によって左室のremodelingが期待されている。一般的に弁形成術は弁輪に硬性の人工弁輪が逢着されないため、左室のremodelingには好都合と考えられている。一方、近年Freestyle生体弁など硬性の人工弁輪を有しない人工弁が開発され、その有用性が確認されつつある。我々も、特に高齢者には術後抗凝固療法に起因する出血性の合併症への懸念から生体弁を選択している。今回は症例報告ではあるが、左室容量負荷疾患である大動脈弁閉鎖不全症に対してFreestyle生体弁を用いた弁置換を施行し、術後左室のremodelingを検討した。 4.研究分担者の齋藤は、当科で経験した左室容量負荷疾患である僧帽弁閉鎖不全症例を弁置換群と弁形成群に分類し、両者を臨床的な面から検討し発表予定である。
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