Preliminary Studyにて多数個のクリスタル距離情報を用いた実験系の管理が著しく複雑にて、本実験に移行する前段階として実験系への習熟が必要とされた為、24ヶのクリスタル距離情報を用いた3次元再構築および移植心モデルに先立ち、簡素化した以下の基礎実験(6ヶのクリスタル情報を用い、左心容積を算出することで、虚血再潅流障害における左心機能障害の評価を行う)を組み立て、移植心を想定した再潅流障害モデルに応用。 【基礎実験テーマ】(1)心移植を想定した体外循環下虚血再潅流心モデルにおけるL-arginineの再潅流障害に対する効果の検討、(2)多数個のクリスタルを用いた実験系に対する習熟。 【実験結果】(1)-1)高濃度酸素およびL-arginine投与は、低濃度酸素+L-arginine投与群に比し、有意に虚血再潅流後の心機能を悪化させる。-2)低濃度酸素およびL-arginineの組合せは虚血再潅流心の心機能を有意に回復させる(1999.AHA scientific meetingにて発表)。 以上の基礎実験の後、右心機能評価への本格的応用を試みた。 【右心機能への応用】体外循環下に24ヶのクリスタルを雑種成犬の右心を、三尖弁口から肺動脈弁口までを3等分し、各々のレベル(計4)に各6ヶのクリスタル(計24ヶ)を縫着。体外循環離脱後各クリスタルの情報を得ようとしたが、クリスタルの心内固定がうまく行かず、安定したデータ蓄積が出来なかった。現在クリスタル形状を変えることにより、より安定した距離情報が得られるのではないかと形状および固定法の改良中である。
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