Preliminary studyにおいて、多数個(24ヶ)のクリスタル距離情報を用いた実験系の確率の困難性が予想された。前段階の6ヶのクリスタルを用いた実験系を用いた実験(前年度施行)から、本実験の困難性が予想された為、基礎実験を再度施行した。 【基礎実験】開心術をモデルとした、体外循環下虚血再環流モデルにおける再環流障害の、クリスタル距離情報を用いた数値化実験。 【本実験】予定された実験通り、雑種成犬を用い、体外循環を確立した後24ヶのクリスタルを右心に縫着(三尖弁口〜肺動脈弁口を三等分し、計4つのレベルに各々6ヶづつ)し、各クリスタル間の距離情報(_<24>C_2=276通り)を同時に計測しようとしたが、距離情報がうまく収集できなかった。クリスタルの形状・および固定方法を変えることで距離情報のデータ蓄積が進むよう工夫しつつ実験を行ったが、幾度の実験にても残念ながら安定した再現性のある距離情報が蓄積できなかった。現在のクリスタル測定システム自体の限界かと思われるが、実験動物の大型化(大型の豚の使用)や重要と思われるクリスタル固定法のさらなる改良にてデータが得られるのではないかと模索中であり、目的とした心移植モデル右心不全での応用に行くまでもなく、残念ながら新たな右心機能指標の作成にも成功しなかった。
|