研究課題/領域番号 |
11671341
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
中村 治彦 東京医科大学, 医学部, 講師 (80183523)
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研究分担者 |
斎藤 誠 東京医科大学, 医学部, 助教授 (30225734)
加藤 治文 東京医科大学, 医学部, 教授 (20074768)
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キーワード | 肺癌 / FISH / 染色体 / 染色体不安定性 |
研究概要 |
本年は、本研究の最後の年に当たるため、FISHで検出した染色体の不安定性(CIN)が最終的に患者の生命予後とどのように関係するかを解析した。非小細胞肺癌切除例50例を対象とした。組織型は腺癌34例、扁平上皮癌15例、大細胞癌1例、病理病期はIA期14例、IB期17例、IIB期8例、IIIA期9例、IIIB期2例である。切除腫瘍の割面から作製した捺印標本を検体とし、FISH法によって3番、10番、11番、17番の各染色体数を計数しCINを有する腫瘍を特定し、生存率との関係を検討した。 検討した4種の染色体においてdisomyが最も多かったが、trisomy、tetrasomyも高頻度に認められた。解析した50例のうち、14例(28%)がCINを有すると判定された。CINと組織型、病期には有意な相関はなかった。生存率と各種予後因子を検討したところ、リンパ節転移の有無と、CINの有無が独立した予後因子であり、CINを有する症例は有意に予後不良であった。 FISHで検出したCINは非小細胞肺癌の予後因子として有用と考えられる。
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