研究課題/領域番号 |
11671341
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
中村 治彦 東京医科大学, 医学部, 講師 (80183523)
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研究分担者 |
斎藤 誠 東京医科大学, 医学部, 助教授 (30225734)
加藤 治文 東京医科大学, 医学部, 教授 (20074768)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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キーワード | 肺癌 / FISH / 染色体 / 染色体不安定性 |
研究概要 |
染色体レベルでのゲノム不安定性は染色体の特定領域のコピー数の異数性として検出可能であり、本研究の目的は肺癌細胞の有するこの染色体不安定性を解析し、得られた知見を臨床に還元し、肺癌の悪性度診断や治療法の選択に応用しようとするものであった。我々は当該研究期間内に1.肺癌においてCINが観察される頻度2.CINと病期、組織型をはじめとする臨床・病理学的諸因子との関連3.CINと予後との関連などを明らかにすることを目的とした。最終的に、非小細胞肺癌切除例50例を対象として解析を行い、これらに対する解答を得ることができた。対象とした肺癌の組織型は腺癌34例、扁平上皮癌15例、大細胞癌1例で、病理病期はIA期14例、IB期17例、IIB期8例、IIIA期9例、IIIB期2例であった。切除腫瘍の割面から作製した捺印標本を検体とし、FISH法によって3番、10番、11番、17番の各染色体数を計数しCINを有する腫瘍を特定し、生存率との関係を検討した。その結果、検討した各染色体においてdisomyが最も多かったが、trisomy、tetrasomyも高頻度に認められた。14例(28%)が,CINを有すると判定された。CINと組織型、病期には有意な相関はなかった。生存率と各種予後因子を検討したところ、リンパ節転移の有無と、CINの有無が独立した予後因子であり、CINを有する症例は有意に予後不良であった。これらの結果からFISH法で検出したCINは非小細胞肺癌の予後因子として有用と考えられた。
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