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1999 年度 実績報告書

悪性脳腫瘍患者における免疫抑制病態の解明と治療

研究課題

研究課題/領域番号 11671362
研究機関山梨医科大学

研究代表者

長沼 博文  山梨医科大学, 医学部, 助教授 (90189142)

研究分担者 佐々木 厚  山梨医科大学, 医学部, 助手 (80240787)
キーワード悪性glioma / トロンボスポンジン / transforming growth factor-β / 腫瘍浸潤能 / 合成ペプチド
研究概要

本研究を行った背景として、glioma組織ではthrombospondin-1(TSP-1)とtransforming growth factor-β(TGF-β)の発現が悪性度が増すにつれ増加すること。(Neuropathology,in press)又、TSP-1はTGF-βを活性化することがわかっているが、悪性glioma細胞でもTSP-1がTGF-βの活性化に大きく関わっていることを我々は見いだした。
これらのことから、TSP-1のアミノ酸配列の中のTGF-βの活性化を阻害する部分と同じ合成ペプチドを用い、in vitroで悪性glioma細胞の産生するTGF-βの活性化を阻害できるかどうか、悪性glioma細胞の移動能を阻害できるかどうかを検討した。
1)合成ペプチドによるTGF-β活性化阻害実験
悪性glioma細胞の培養上清中に、TGF-βの活性化を阻害すると考えられているTSP-1分子の中に存在するアミノ酸配列と同じ配列の合成ペプチドを加えin vitroで検討した。又、TGF-β分子と結合しているlatency associtated protein(LAP)に存在し、TSP-1と結合することにより、TGF-β活性化が生じるとされるアミノ酸配列と同じ配列の合成ペプチドを用いても検討した。その結果、合成ペプチドでは有意なTGF-β活性化の阻害作用はみられなかった。
2)合成ペプチドによる悪性glioma細胞の移動能抑制実験
TSP-1分子には11カ所の他の分子との結合部位が知られている。TSP-1分子の中の存在し、3つの結合部位を持つアミノ酸配列と同じ合成ペプチドを合成し、細胞の移動能を抑制するかどうかを検討した。その結果、合成ペプチドの用量依存性に悪性glioma細胞の移動性が最大50%程度抑制された。
以上より、合成ペプチドでは悪性glioma細胞でのTGF-βの活性化は抑制されなかったが、glioma細胞の移動能は抑制されることが判明した。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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