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1999 年度 実績報告書

難治てんかんに対する手術治療-双極子追跡法を用いた脳内電源推定-

研究課題

研究課題/領域番号 11671378
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

星田 徹  奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60157005)

研究分担者 平林 秀裕  奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20218811)
キーワード双極子追跡法 / てんかん焦点 / てんかん外科手術 / 棘波
研究概要

脳内の突発的異常電気活動であるてんかん原性焦点を非侵襲的に捉える方法として、頭皮脳波を用いて分析する双極子追跡(DT)法がある。われわれは、頭皮脳波ビデオモニタリングによりデジタル脳波を測定し、実形状三層頭部モデル(頭皮、頭蓋骨、脳)を計測して、発作間欠時に出現した棘波からDT法で等価電流双極子(ECD)を推定し、てんかん焦点を分析した。FLAIR法を含めたMR画像を撮像し、器質性病変とてんかん焦点との関係について検討した。
てんかんで発症した5例の器質性病変(くも膜嚢腫、脳動静脈奇形、脳挫傷、視床下部過誤腫、海綿状血管腫)を対象に、発作間欠期棘波からECDを推定した。ECDの閾値は原則として双極子度0.98以上のものを選択した。頭部CT水平断像を重ね合わせ、実形状頭部3層モデルを作成し、各層の導電率を考慮し1双極子法で発作間欠期棘波のECDを算出した。
ECDの分布から画像上の病巣部位とその周囲への集中度を検討した。ECDを三次元脳モデル上に投射した結果、全例病巣周囲にECDが集中した。ECDは病変周囲20mmまでは5mm毎に全体の10%を越える増加率示すが、20mmを越えるとその増加率の低下がみられた。その分布は、病巣周囲20mm以下の領域に全例70%以上の高い集積がみられた。術前の検査結果を総合的に検討し、全例、病巣部摘出のみを行い、術後、全例けいれんは消失または著明に減少した。
今回の検討では、症例数も少なく統計学的な検討が行なえなかったが、発作間欠期棘波から双極子追跡法により推察したECDが、器質性病変周囲20mm以内に70%以上集積し、かつ、他の術前検査結果と一致した場合は、病変部がてんかんの原因である可能性が高いと言える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 星田 徹: "多発性にてんかん焦点を有するRasmussen症候群の1例"臨床脳波. 41・3. 194-198 (1999)

  • [文献書誌] 榊 寿右: "双極子追跡法を用いたてんかん焦点の同定-硬膜下電極記録との比較-"難治てんかんの難治化要因と予後と対策に関する研究. 171-176 (1998)

  • [文献書誌] 石 学: "脳波,MRI,SPECTによるてんかん原性焦点同定の評価"脳神経外科ジャーナル. 7. 421-428 (1998)

  • [文献書誌] 星田 徹: "脳腫瘍の外科-胎生期組織由来腫瘍"(株)メディカ出版,大阪府吹田市. 7 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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