研究概要 |
1.全身麻酔下に、ウサギに、カテーテルを大腿動脈から挿入し、透視下に腎動脈へ導き、片側の腎臓にNHS-biotinの溶液を注入した。5分間のincubationの後、fluoresceinでラベルしたavidinの水溶液を注入、その後血流を再開した。以前、研究代表者は、この方法で実験を行い、直後に摘出した腎において、糸球体が85%以上蛍光にて染色されたことを確認したが、今回は、ウサギを麻酔から覚醒させ、2日間生存させた。2日後、全身麻酔下で血管撮影を施行すると、ビオチン化物質及びavidinを注入した、腎において、血流の開存と造影剤の排泄が確認された。この腎臓を摘出して、蛍光顕微鏡で観察したところ、4羽のウサギ全てにおいて、90%以上の糸球体が、蛍光で明るく染色されており、少なくとも2日間、fluorescein-avidinは内皮細胞について離れず、腎組織内に留まっていることが確認された。 2.同様な方法で、今度は、右の腎臓にビオチン化を施し、5分間のincubationの後、ラベルなしのavidin溶液と、fluorescein-biotinを相次いで注入した。左の腎臓は、ビオチン化物質を含まない溶液を注入し、以後同様に、avidin,fluorescein-biotinを注入した。腎の血流を再開させ、30分間腎臓を血液で潅流させた。その後、両側の腎臓を摘出し、蛍光顕微鏡で観察した。右の腎臓では、80%以上の腎臓が染色された。対照群は、0%であり、この方法はビオチン化物質を血管から注入して、組織内に固着できることを示した。 3.培養内皮細胞にNHS-biotinの溶液を投与し、その蛋白のビオチン化を行い、アビヂン及びビオチンでラベルした、エンドセリンのantisenseを投与し、細胞を2日後にharvestした。今後、そのlysate中のエンドセリンが減少しているかwestern blottingにて検討する予定である。
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