1.内皮細胞に、タンパクをビオチン化する物質を投与し、細胞タンパクをビオチン化し、そこにアビジン分子そしてそれをlinkerとして、ビオチン化された薬剤が付着するかを研究してきた。昨年度までの結果としては、in vivoにおいて、血管の内皮細胞をビオチン化し、その後、高濃度のアビジン溶液と高濃度のfluorescein biotinを注入することによって、動物体内の血管床に、fluorescein biotinを付着し得ることを示した。今年度は、ビオチン化薬剤として、ビオチン化されたDNAを用いて、これが、細胞内に取り込まれて、そのDNAが発現するか否かを研究した。 2.まず、培養内皮細胞にビオチン化物質を投与し、それから、アビヂン、ビオチンでラベルしたエンドセリンのantisenseを投与し、エンドセリンのタンパク発現が抑制されるかのpreliminary studyをおこなった。まず、Western blottingで、次に、ELISA kitを用いて、エンドセリンを測定したが、安定したデータが得られず、この方法は中止した。 3.次にantisenseを用いるのではなくて、投与したDNAが発現されるかを直接Green Fluorescein Proteinの遺伝子を用いて行うことにした。今までの、最後に投与するビオチン化された物質の濃度は比較的高濃度(1-10 microM)であり、この条件では、培養内皮細胞に付着し得ることは、fluorescein biotinを使用し蛍光顕微鏡で観察し得た。しかし、この濃度のbiotinylated DNAを作成して、投与することは、非現実的であるので、濃度設定として1-10nMとし、この濃度のビオチン化された物質を効率よく付着させる、方法を模索しているが、未だ適当な方法が見つかっていない。
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