研究概要 |
1.研究計画に沿ってp53knockout mouse(C57BL/6J backtround,勝木元也教授供与)の交配を91回まで行った.原因は不明であるがp53の欠失のある仔の出生する割合が低下し,特にp53(-/-)の仔の出生する率の低下が著しかった,p53(+/-)8匹に対してp53(-/-)1匹の割合であった. 2.そこで,東京大学病理学石川正俊教授よりCBA75%C57BL/6 25%のp53knockout mouseおよび日本クレアより129S backgroundのp53knockout mouseの供与を受け,genotypingの方法の確立と交配繁殖を併行して開始した. 3.C57B/6Jbackgroundのp53knockout mouseの交配によって,現在までにp53(+/+)マウスの脳63個,p53(+/-)マウス48個,p53(-/-)8個の包埋を終了した. 4.MIB-1染色はマウス脳に対しては抗体の非特異的反応が強くでるために判定が出来なかった.従って,同様の増殖細胞マーカーと考えられるPCNAに対する染色法を確立した. 5.現在までに観察した範囲ではPCNA陽性細胞は脳室脈絡叢を中心に見られたが,脳実質内には極めて少数観察されるのみであった.P53(-/-)マウスにおいてもp53(+/-)マウス,あるいはp53(+/+)マウスと比べて有意の相違は認められなかった.
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