研究課題/領域番号 |
11671389
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
宮嶋 雅一 順天堂大学, 医学部, 講師 (60200177)
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研究分担者 |
新井 一 順天堂大学, 医学部, 助教授 (70167229)
佐藤 潔 順天堂大学, 医学部, 教授 (10112707)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 先天性水頭症 / HTXラット / DNAマイクロアレイ / アストロサイト / aquaporin 4 / C type natriuretic peptide |
研究概要 |
昨年度に引き続き、先天性水頭症ラットHTX(HTX)の原因遺伝子の検索を、DNAマイクロアレイ法(Gene Chip)を用いて、約12000種類の遺伝子を検索した。対照ラット(Sprague-Dawley rat)に比べ十分の一以下の発現しか認めない約50の遺伝子をスクリーニングしたが、残念ながらHTXの原因遺伝子は未だ決定するに及んでいない。現在個々の遺伝子に対してRT-PCR法を行い、対照ラットのみに発現している遺伝子を同定中である。 水頭症の新しい治療法の糸口を見つける目的に、進行性水頭症の大脳皮質に比べ停止性水頭症により多く発現している遺伝子を、同様にDNAマイクロアレイ法によりスクリーニングした。その結果、幾つかの遺伝子の中から水チャンネルaquaporin4(AQP4)の発現が増加している事に注目した。このAQP4は上衣細胞と血管周囲のアストロサイトの突起に発現している事より、髄液循環のalternative pathwayに深く関係しているものと推定される。更に停止性水頭症ラット大脳の上衣下の血管周囲のアストロサイトに強く発現している事より、停止性水頭症では髄液循環のalliterative pathwayが発達している事が推察される。培養アストロサイトとglioma cell line(U373)の培養液に、C type natriuretic peptide(CNP)を添加すると、アストロサイトとU373細胞内にAQP4の発現が増加する事が、RT-PCR法、W6stemblot法及び免疫組織染色法により明らかになった。CNPはalternative pathwayを発達せしめる可能性が示唆され、水頭症の新しい治療薬として期待できると思われる。
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