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2001 年度 実績報告書

脳挫傷と血管内皮障害:血管内皮への白血球接着に始まる細胞損傷の機序とその治療

研究課題

研究課題/領域番号 11671397
研究機関日本大学

研究代表者

山本 隆充  日本大学, 医学部, 助教授 (50158284)

研究分担者 越永 守道  日本大学, 医学部, 助手 (30267067)
川又 達朗  日本大学, 医学部, 助手 (20234122)
片山 容一  日本大学, 医学部, 教授 (00125048)
加納 恒男  日本大学, 医学部, 助手 (40277413)
キーワード脳挫傷 / 白血球 / 血管内皮 / P-selectin / vinblastin / myeloperoxidase活性 / ラット
研究概要

脳挫傷の二次的神経細胞障害に多核白血球の血管内皮への吸着、集積が関与しているか否かを明らかにする目的で実験を行った。Vinblastinを前投与し白血球を減少させたラット、ならびに白血球の血管内接着に関与していると考えられているP-selectinの中和抗体であるmonocronal P-selectin antibodyを投与したラットを用いた。【方法】ラットの皮質脳挫傷モデルを用い、Group 1:vinblastin投与白血球減少群、Group 2:antiP-selectin投与群、Group 3:生食投与control群、Group 4:normal(sham)control群の4群に分け、以下の検討を行った。《実験1》受傷3時間、24時間後に脳挫傷組織を摘出し、白血球集簇のマーカーであるmyeloperoxidase(MPO)活性をspectrophotometerを用いて測定した。《実験2》受傷2週間後に動物を潅流固定して脳を摘出し、H-E染色冠状断連続切片を作成した。image analyzerにより挫傷脳組織の面積を測定し、積算することにより体積を求めた。【結果】《実験1》MPO活性は、sham群の51.4±16.3U/g tissueから、受傷3時間後には、542.6±178.2(生食投与群)と約10倍に増加した。Vinblasin投与群では、274.2±152.4、antiP-selectin投与群では、220.6±114.3と、生食投与群と比較するとMPO活性は有意の低下をみた(p<0.01)。《実験2》受傷2週間後の脳挫傷壊死組織は完全に吸収され、液化、空洞化しており、その体積は、生食投与群では、11.4±4.8mm^3であった。Vinblastin投与群、antiP-selectin投与群では、壊死組織体積は、有意に減少していた(p<0.05)。【考察】本年度の結果は、脳挫傷組織への白血球の集簇をvinblastin、あるいはantiP-selsctin投与により抑制すると、最終的な脳挫傷壊死組織の体積が減少することを示している。昨年度の研究では、vinblastin、antiP-selectinの投与により、脳挫傷組織への白血球集簇が抑制されることが組織学的に明らかになったが、本年度のMPO活性の結果も、この事実を裏付けるものである。これらの結果は、脳挫傷などの頭部外傷に対して、両薬剤、特にantiP-selectinが治療効果を有している可能性を示すものである。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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