研究概要 |
培養悪性グリオーマ細胞を用いてnon-cytotoxic level のEstramustine溶液(0-0.1μM)とcytotoxic level のEstramustine溶液(0.5-20μM)を、比較検討した。 (1)透過電顕で細胞の形態変化をコントロール(EM 0μM)と比較検討したが、cytotoxic levelでは核の濃縮とdegradation,及びapoptosis小体の出現やmitochondriaの空胞化が時間をおって出現し、apoptosisの誘導を示唆していた。同じく投与後のDNAの電気泳動ではladderingはcytotoxic levelのEstramustine投与群のみに見られた。 (2)in situ endo-labelling法で核のfragmentationの比率をlabelling indexとして算出したが、cytotoxic levelではlabelling indexは濃度依存生に増加していた。 (3)走査電顕では、non-cytotoxic levelのEstramustineは細胞表面の微小突起psuedopodの先端がbleb formationをおこしていた。これはapoptosisを誘導する濃度より低濃度で薬剤のmicrotubuleに対する効果が細胞表面からおこっていることを示していた。この微小突起内のmicrotubuleのdepplymerizationは抗beta-tubulin抗体を用いた免疫電顕で確認された。以上より、microtubule阻害剤であるEstramustineはglioma細胞にapoptosisを誘導するが、細胞表面の微小突起(microtubuleにより形成)のdepolymerizationがきっかけとなることが明かになった。
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