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2000 年度 実績報告書

ELISAを用いた脳原発悪性リンパ腫の髄液診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11671400
研究機関朝日大学

研究代表者

安藤 隆  朝日大学, 歯学部, 教授 (90126722)

研究分担者 山田 実貴人  朝日大学, 歯学部, 助手 (40308672)
久保田 芳則  朝日大学, 歯学部, 助教授 (60278207)
坂井 昇  岐阜大学, 医学部, 教授 (10021487)
篠田 淳  岐阜大学, 医学部, 助教授 (50273131)
キーワード頭蓋内原発悪性リンパ腫 / 腫瘍マーカー / soluble CD27 / soluble IL-2R / ELISA / 髄液 / 免疫不全患者
研究概要

頭蓋内原発悪性リンパ腫(PCNSL)群、リンパ腫以外の脳腫瘍群、炎症性神経疾患群、その他の神経疾患群の4群においてPCNSL群の患者に特異的に髄液中のsoluble CD27(sCD27)濃度が高いという昨年度までの結果を受けて、今年度は症例数を増やして更なる検討を重ねたとともに、髄液中のsoluble interleukin-2receptor(sIL-2R)濃度とsCD27濃度の本疾患に対するマーカーとしての有用性を比較検討した。その結果、PCNSL群のsCD27濃度は3〜724U/ml(平均123.5U/ml)であった。リンパ腫以外の脳腫瘍群及びその他の神経疾患群における髄液中のsCD27の濃度はそれぞれ0〜11U/ml、平均4.2U/ml及び0〜12U/ml、平均4.4U/mlであり、PCNSL群の髄液中sCD27濃度はリンパ腫以外の脳腫瘍群及びその他の神経疾患群に比し有意に高く(各々p<0.01)、治療前に採取した検体のみを対象とした場合、髄液中のsCD27assayのPCNSL群における感度は100%で、非PCNSL群における特異度は83.6%であった。一方、PCNSL群における髄液中のsIL-2R濃度は0〜516U/ml、平均92.2U/mlであった。リンパ腫以外の脳腫瘍群及びその他の神経疾患群における髄液中sIL-2R濃度はそれぞれ0〜145U/ml、平均7.3U/mlおよび0〜66U/ml、平均4.0U/mlであり、PCNSL群の髄液中sIL-2R濃度もリンパ腫以外の脳腫瘍群及びその他の神経疾患群に比し有意に高かった(各々p<0.001)。治療前に採取した検体のみを対象とした場合、髄液中sIL-2R assayのPCNSL群における感度は50%であり、非PCNSL群における特異度は80.6%であった。従って髄液中のsIL-2RよりもsCD27の方が頭蓋内原発悪性リンパ腫の腫瘍マーカーとして有用であると推測された。しかしながら炎症性神経疾患群における髄液中のsCD27は12〜156U/ml、平均74.4U/mlとPCNSL群と同様に高値を示したが、炎症性神経疾患群における髄液中白血球数は144〜5984/3、平均1348/3でありPCNSL群(0〜32/3、平均6.7/3)に比して有意に高く、両者の鑑別に有用と思われた。さらに、臨床経過に沿って髄液を採取し得たPCNSL群の2症例を検討したところ、髄液中のsCD27濃度は画像上の腫瘍の退縮および再発、増大と非常によく相関することからも髄液中のsCD27が頭蓋内原発悪性リンパ腫の腫瘍マーカーとして有用であることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] S Murase, et al: "Diagnostic utility of CSF solbule CD27 for primary central nervous system lymphoma in immunocompetent patients."Neurol Res. 22. 434-442 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2013-12-26  

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