1)プロテインキナーゼC阻害剤であるカルホスチンCにより細胞死を誘導し、PI及びAnnexin Vによる二重染色によりを確認。さらにHE(hydroethidine)とDiOC6による二重染色をおこない、アポトーシスの誘導に先駆けミトコンドリアの膜電位の低下が起こり、それに伴いROS(reactive oxygen species)が増加すること。Z-VAD.fmkなどのカスペース阻害剤により膜電位の低下は抑制されるがワルトマニン(MLCキナーゼ阻害剤)、Y-27632(Rhoキナーゼ阻害剤)、カルペプチン(カルパイン阻害剤)では抑制されないことを確認した。 2)カルホスチンC誘導アポトーシスにおける形態的変化を蛍光顕微鏡(オリンパスAX-80)にて観察した。カスペース阻害剤ではアポトーシスに特徴的な核の濃染像が消失したが細胞膜の変化は抑制しえなかったのに対し、Y-27632(Rhoキナーゼ阻害剤)では核の濃染は抑制されなかったが細胞膜は正常に保たれた。 3)カルホスチンC誘導アポトーシスにおけるミオシン軽鎖のリン酸化をウレアゲルを用いたイムノブロットにて確認。時間経過と共にミオシン軽鎖のリン酸化は亢進しY-27632(Rhoキナーゼ阻害剤)によりこれが抑制されることを確認した。 4)アクチンの形態的変化を蛍光顕微鏡(オリンパスAX-80)にて観察したところアポトーシスが生じるタイミングに一致してストレスファイバーが出現していた。
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