1)前年度までの研究を踏襲し、カルホスチンC(プロテインキナーゼC阻害剤)によりグリオーマ細胞株に対しアポトーシスを誘導。その際、アポトーシスが生じるタイミングに一致してアクチンストレスファイバーが形成されることを蛍光顕微鏡(オリンパス AX-80)にて観察。さらにアポトーシス誘導前にワルトマニン(MLCキナーゼ阻害剤)、Y-27632(Rhoキナーゼ阻害剤)、カルペプチン(カルパイン阻害剤)を作用させておくとY-27632によりアクチンストレスファイバーの形成が抑制された。 2)Fugene6を用いグリオーマ細胞株にドミナントネガティブJNKを導入し、JNKの機能を特異的に押さえる。一方p38は特異的阻害剤SB203580を用いて抑制した。抑制効果については各々のリン酸化抗体によるイムノブロットにて確認した。JNKあるいはp38を抑制することによりアポトーシス誘導時の核の形態的変化が抑制された。 3)ドミナントネガティブJNKとY-27632を同時に作用させトリパンブルーにより細胞死を判定するも、はっきりとした相乗効果は認められなかった。 4)グリオーマ摘出標本をサンプルとしてミオシン軽鎖の蛋白量をイムノブロットにて確認したがgradeとミオシン軽鎖の蛋白量との間に相関関係はなかった。ウレアゲルを用いミオシン軽鎖のリン酸化を測定するも、現在のところ、うまく検出できていない。
|