研究課題/領域番号 |
11671407
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
福島 武雄 福岡大学, 医学部, 教授 (10078735)
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研究分担者 |
継 仁 福岡大学, 医学部, 助手 (80279273)
山本 正昭 福岡大学, 医学部, 講師 (80240125)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | rat brain / C6glioma cell / human glioma cell / ultrasound / sonochemical agent / blood brain barrier / sonodynamic therapy / Photofrin |
研究概要 |
脳腫瘍に対する音響化学療法の臨床応用を目的として、ラット正常脳組織に及ぼす集束超音波照射による血液脳関門の開放作用と音響活性物質による血液脳関門の開放増強作用の検索を行った。血液脳関門の変化を検討するため2%エバンスブルー溶液(2ml/Kg)を超音波照射前に静脈注射し、強度25,100W/cm^2の条件にて5分間の超音波照射を行なった。ローズベンガル50mg/Kgを照射5分前に静脈注射し、対照群は同量の生理食塩水を投与した。照射1時間後に断頭し、大脳を摘出してエバンスブルーの染色範囲を観察した。1)強度25W/cm^2、5分間の単独照射およびローズベンガル併用群ともにエバンスブルーの漏出はなかった。2)強度100W/cm^2、5分間の単独照射にて、左基底核から視床下部にエバンスブルーの淡い漏出があった。ローズベンガル併用群では、単独照射群と比較してエバンスブルーの漏出の範囲、程度ともに増強されていた。これはキャビテーション作用だけでなく、音響化学的に血液脳関門の開放効果もあると考えた。つぎにラットC6グリオーマ細胞株とU105MGおよびU251MGの2種類のヒトグリオーマ細胞株の浮游液を用いて、Hematoporphyrin(Hp)誘導体であるPorfimer sodium(photofrin;Pf)を増感物質として、平行波超音波照射による音響化学療法の効果を照射前後のトリパンブルー色素排除試験による生細胞率で検討した。ラットC6グリオーマ細胞では、超音波強度および照射時間が増加するにつれて、超音波単独照射群、Pf併用群ともに生細胞率の低下がみられ、特に超音波強度0.3W/cm^2において、また照射時間では15秒、30秒間照射において2群間に有意の差がみられた。添加したPf濃度間では、生細胞率の有意差はなかった。平行超音波を用いる音響化学療法の臨床応用の可能性が示された。
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