対象は雌ウサギ(日本白色種)成体10羽である。麻酔下に下肢後面を展開して坐骨神経に刺激用の双曲型銀塩化銀電極を装着し、被検筋は内側腓腹筋としてその遠位端を歪みゲージに固定した。筋疲労を比較する周波数は、低周波数刺激(20Hz)と高周波数刺激(50Hz、100Hz)とし、その他の刺激条件はパルス幅0.2msec、最大上刺激電圧で一定とした。間欠的刺激条件は、4秒間刺激を10秒毎(1/2.5cycle)、20秒毎(1/5cycle)、30秒毎(1/7.5cycle)に繰り返す3通りのduty cycleで比較した。筋疲労試験は15分間施行し、刺激によって生じる筋張力を経時的に計測した。筋疲労は、刺激開始時の最大筋張力(Ti)に対する刺激終了時の最大筋張力(Tf)の減衰率で表し、Clarkeのstrength decrement index(SDI)を、SDI={(Ti-Tf)/Ti}×100で求めて評価した。 20Hz、50Hz、100HzにおけるSDIを比較すると、1/2.5cycleで各々33.8±20.4%(mean±SD)、18.5±8.7%、18.7±9.5%、1/5cycleで20.2±11.8%、18.8±13.6%、8.7±1.4%、1/7.5cycleで19.4±15.4%、18.8±13.6%、6.9±2.7%であり、1/2.5cycleで高周波数刺激(50Hz、100Hz)の筋疲労が有意に小さかった(p<0.05)。他のcycleでも同様の傾向が認められた。4秒間刺激に対する筋収縮をみると、収縮力は50Hz、100Hz刺激で大きく、収縮力のピークが20Hz刺激では後半に、50Hz、100Hz刺激では刺激直後に出現した。
|