研究概要 |
In vivoで以下の実験を行った. 【方法】細胞数が6.7x10^5となるよう調整したSarcoma180浮遊液1.0mlと,0.3%のDMFを溶解剤として濃度を調節したピロキシカム溶液1mlをマウスの背部air pouch内へ注入し,その後蒸留水を満たした径30mm,高さ15mmのガラス管中にair pouch部のみ水没させ,共振周波数2MHz,10Wの照射強度で120秒間照射した.マウスはピロキシカムの濃度により0.2mM,0.02mM,0.002mMの群に分け,対照としては0.3%DMF溶液を用いた.超音波照射後1週でのair pouch部の組織像と,マウスの生存率をKaplan-Meier法により各群で比較した. 【結果】組織学的にはピロキシカム濃度0.2mMの群で,残存する腫瘍の面積が他の群よりも有意に低値で(ANOVA,p=0.003),air pouch内腔面の構造や周囲筋肉の構造も保たれていた.一方,ピロキシカム濃度が0.02mM,0.002mMの群と対照では旺盛な腫瘍の増殖を認めた.生存率は0.2mMの群で約60%,0.02mMの群で約20%であった.一方他の群ではマウスはすべて約40日で死亡した(log rank,p=0.005). 【結論】In vivoでピロキシカムは音響感受性物質として有用であり,その抗腫瘍効果は濃度依存性であると考えられた. 【文献】ピロキシカムによる超音波の抗腫瘍作用の増強.日整会誌73:S1659,1999.
|