研究概要 |
屠殺直後のラットの尾から採取した腱を,37℃のM199培養液にfluo3-acetoxymethylを溶解して10μM/mlとした液に60分間浸けて生体染色した.この腱をM199培養液に浸けたまま牽引する装置(KKKS-001)に装着し,ARUGUS/HISCA(浜松フォトニクス社製)を用い,腱内の線維芽細胞の変形と細胞内カルシウムイオン濃度の変化を測定した.腱内の細胞は、張力に比例して変形を増大した。細胞質内のカルシウムイオン濃度は変形に伴い上昇した。 仔兎の肋骨の軟骨を採取した。カルシウムイオンを含まないタイロード液に、トリプシン、コラゲナーゼで処理し、細胞の分散を行った。35mmシャーレに0.1%EDTA/CMF-tでCo_2,37°Cで培養した。培養した細胞に対しARUGUS/HISCAによる観察下にパッチクランプテクニックを用いて、軟骨細胞膜に張力刺激を加えて細胞質内のカルシウムイオンの変化を測定した。ARUGUS/HISCAは培養軟骨細胞における,カルシウムイオンの経時的変化を観察するのに有用であった。 細胞膜損壊の閾値,反復刺激による反応を観察し,ストレッチ運動や腱移植の際の腱に対する張力の影響,腱の過労性障害、軟骨が受ける圧力刺激に対する反応について検討中である。
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