研究課題/領域番号 |
11671420
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
星地 亜都司 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (70236066)
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研究分担者 |
五嶋 孝博 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (20272544)
中村 耕三 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (60126133)
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キーワード | Spinol cord injvry / angiogenesis |
研究概要 |
1.神経組織血流増加作用を持つことが知られているプロスタグランジンE1を投与して脊髄損傷時に血流を確保することにより、損傷軽減効果があるかどうかを電気生理学的に検討した。実験にはネコを用い、頚髄の急性圧迫をを行った。その結果、プロスタグランジンE1投与により電位回復が早期にみられた。損傷脊髄の血流をより早期に回復させることが、治療方法のひとつである可能性が示された。 2.脊髄損傷後の虚血再潅流障害には、活性化白血球による血管内皮細胞障害が重要な関与をしている可能性がある。アンチトロンビンI I Iには、プロスタサイクリン産生促進により白血球の活性化を抑制し血管内皮細胞障害を軽減させる可能性がある。ラットの脊髄損傷モデルを作成し、アンチトロンビンI I Iの投与効果を脊髄誘発電位、運動機能評価、組織学的検索から検討した。その結果、アンチトロンビンI I Iには脊髄損傷後の誘発電位を早期より回復させ、運動機能評価、組織所見にても損傷程度を軽減させうることが判明した。 以上より、急性脊髄損傷時の脊髄内血流確保、脊髄内血管損傷の進展拡大の防止、そして損傷脊髄の損傷血管をより早期に再生させることで、脊髄損傷を軽減させうる可能性が示された。
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