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2000 年度 実績報告書

カフェインによるp53遺伝子を介在した骨肉腫のシスプラチン耐性克服

研究課題

研究課題/領域番号 11671426
研究機関金沢大学

研究代表者

土屋 弘行  金沢大学, 医学部, 助教授 (40227434)

キーワード骨肉腫 / シスプラチン / p53遺伝子 / カフェイン / 薬剤耐性
研究概要

化学療法によるp53遺伝子発現の変化を解析した.
Western Blot法ではシスプラチンを1時間接触後に洗浄し培養液を加えた腫瘍細胞群、シスプラチンを1時間接触後に洗浄しカフェインを添加した培養液を加えた細胞群より蛋白を抽出して電気泳動を行った。OST細胞ではp53蛋白の発現量がシスプラチン処理で増加し、それがカフェイン添加で抑制された。この所見は4時間後に顕著に認めた。OST/R細胞ではいずれもp53蛋白の変化を認めなかった。同様の所見はELISA法にても得られた。OST細胞ではDNA修復のためにp53蛋白の一過性の上昇を6時間後に認めたが(1.31倍)、OST/R細胞においてはp53蛋白の発現に変化はなかった(0.95倍)。
DNA合成能についてシスプラチン接触後1,6,12,18,24時間後にBrdUを取り込ませてELISA法にてカフェイン添加の有無によるDNA合成能の変化について検討した。OST細胞のDNA合成能は、シスプラチン接触後6時間後より12時間後にかけて約50%まで低下するが、カフェイン処理によりその低下が抑制された。それぞれ、早期のp53増加とカフェインによるp53増加の抑制に対応していると考えられた。OST/RのDNA合成能はシスプラチン接触後カフェイン添加の有無にかかわらず6時間後でも80%に留まり、p53の変化のない結果を裏付けた。シスプラチンに高感受性のOST細胞ではシスプラチンの殺細胞効果がカフェインにより増強された。その際、p53蛋白はシスプラチン処理により増加しDNA合成能は抑制されたが、カフェイン添加によりp53蛋白は抑制されDNA合成能の抑制は解除された。シスプラチン耐性のOST/R細胞ではシスプラチンの殺細胞効果はカフェインにて増強されず、p53蛋白量とDNA合成能のいずれも変化がなかった。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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