研究課題/領域番号 |
11671428
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
齊藤 覚 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (20175350)
|
研究分担者 |
高岡 邦夫 信州大学, 医学部・整形外科, 教授 (30112048)
斎藤 直人 信州大学, 医学部・整形外科, 講師 (80283258)
|
キーワード | 骨形成因子 / 骨膜性骨形成 / 血管柄付き遊離骨移植 |
研究概要 |
実験1.ラットの下腿を解剖学的に剥離展開し、下腿内側の骨膜が大腿動静脈の枝である伏在動脈からの血管によって栄養されていることを確認した。また顕微鏡下に顕微手術用器具を用いて下腿内側の骨膜を骨から剥離した。伏在動静脈さらに中枢では大腿動静脈により栄養されるこの部の骨膜を用いて血管柄付き骨・骨膜移植片を作製した。ウィスター系雄ラット20匹を各5匹以上づつからなる3群に分け、各群において下腿内側で骨膜を剥離し、骨膜と骨の間に以下の物質を挿入した:1群:骨膜の剥離、挙上のみ、2群:carrierのみを骨膜下に移植、3群:carrierとBMPを骨膜上に移植、4群:carrierとBMPを骨膜下に移植。手術後3週で脛骨を摘出、ソフテックスを用いて脛骨をX線撮影し、各群における新生骨の量を比較した。1群、2群において少量の骨形成が認められ、骨膜を挙上するとその手術侵襲だけで骨形成が生じることが確認された。しかしその際に形成される骨量は少なく、骨量にはバラツキが大きかった。このことは骨膜移植単独では充分な骨形成が起きず、臨床応用が困難である骨膜移植の現実と対応していると思われた。3群ではほとんど骨形成が見られなかった。骨膜にcarrierとともに骨形成因子を作用させると移植に用いることが可能な、充分量の骨形成が認められた。 実験2.carrierとともに骨形成因子を移植したあと骨膜を閉じることが可能で、より大きな骨を形成し移植することが可能である、脛骨の骨膜全体を利用するモデルを作成した。大腿動静脈を栄養血管として脛骨全体の骨膜を挙上した。作製された有茎骨膜片に大腿動静脈から血流が分布していることをマイクロアンジオグラフィを用いて確認した。来年度はこの実験系にcarrierとともに骨形成因子を作用させて新生骨を作成、実験的に作製した骨欠損に対して有茎および遊離の骨・骨膜移植を行う。
|