研究課題/領域番号 |
11671429
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
吉村 康夫 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (10303439)
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研究分担者 |
斎藤 直人 信州大学, 医学部, 講師 (80283258)
清水 富永 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (40283270)
高岡 邦夫 信州大学, 医学部, 教授 (30112048)
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キーワード | 自家骨移植 / 骨髄細胞 / 骨形成因子(BMP-4) / noggin |
研究概要 |
1.ラットの腸骨を一部採取しこれを背筋内に自家移植する実験 移植後1週間以内で移植骨の壊死と間葉系細胞の増殖を認め、2〜3週では移植骨周囲に骨芽細胞で縁どられた新生骨が形成されてきた。4〜6週では移植骨が新生骨に置き換わり、新生骨内には新たに骨髄が形成されてきた。この経過中でのBMP-4(骨形成因子)とnoggin(BMP拮抗サイトカイン)のmRNAの発現についてin situ hybridization法で検討中であるが、初期に出現する間葉系細胞や新生骨周囲の骨芽細胞に両サイトカインの発現が見られている。 2.ラット大腿骨骨髄細胞を採取し、これをdiffusion chamber(気質は通すが細胞は通さない閉鎖系)に封入してラット背筋内に埋め込む実験 chamber内の組織の経時的変化についてHE染色標本、サフラニンO染色標本で見ると、封入された骨髄細胞は1〜2週でフィルター内側面に脂肪組織を含む細胞成分が付着し同部位において3〜4週で軟骨及び骨の形成が進行してきた。さらに時間が経過すると軟骨組織は少なくなり、全体として骨折治癒過程における骨折部周辺の変化に似た骨形成過程が観察できた。またin situ hybridization法を用いた検討では閉鎖腔中の骨髄細胞の一部は初期にBMP-4のmRNAを発現していた。以上のことから骨髄細胞は骨折や骨移植の際に自身で骨形成因子を発現して分化、増殖し骨形成を誘導しうることが考えられた。
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