研究の進展状態と成果: 1.角度測定法の工夫:(1)トランス(以下Trと表記)を身体から離れた場所に置く場合、全身姿勢の変化が見かけ上の上肢運動として記録される。これを修正するために身体の運動中心に全身姿勢を監視するセンサー(以下Sと表記)が必要とした。限られたS数を有効に使うため、Trを胸骨上端に装着することにした。この方法により姿勢変化が生じても身体を中心とした測定軸は乱されずに上肢の動きを測定できる。後者の方法がより良いことを確かめた。(2)オイラー角(Az、El、Ro)のEIは±90度の範囲を越えると非現実的な観測値を出し不安定になる。また、オイラー角の各値は相互に関連性があり、知りたい角度を算出する解析方法を検討したが有効な方法が見出せなかった。そのため、オイラー角の1軸のみが変化するようなS装着法の利用と正確に出力されているXYZ空間位置から余弦定理から算出する方法が良い方法であることを確認した。 2.測定記録(1S当たり位置と角度の6種)の解析方法の開発:表計算ソフトを利用した解析法を開発し、その実用性を確かめた。手間はかかるが開発した解析方法で知りたい角度解析が可能である事を確認した。 3.測定用Sを装着する方法の実用性確認:Sを装着する測定ベストは実際に使えたが、実績報告1、2に示したようにTrを身体に装着するように改変したこと、1軸のみが変化するような装着法へ変えたために、Sは腕に巻いたパイルベルトに貼付する方法が良いことを確認した。 4.代償動作の確認:食事動作では前腕の回旋運動制限は手、肩関節で主に代償されていることを確認した。しかし、その関係を数式化するに十分な計測数が得られず、数式の妥当性を確認するには至らなかった。 5.まとめ:測定方法とキャリブレーション法、解析手順と解析方法の開発とデータ収集を行えた。
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