研究概要 |
前腕回旋運動への制限が肩関節によりどのように代償運動されるかを食事動作を通して解析する方法を開発し、実際の代償様式を調べる研究を行い以下の成果が得られた。 1.角度測定法を開発した:当初、身体から離れた場所に磁気測定の原点となるトランス(以下Trと表記)を置く方法を開発した。しかし、体幹の動きが見かけの上肢運動として記録された。これを改善するためにTrを胸骨上端に装着して、身体軸が運動計測の基準軸となるような方法を開発した。 2.測定データから運動角度を算出する解析方法を開発した:センサー(以後Sと標記)から,はオイラー角(Az、El、Ro)と空間位置(X、Y、Z)の合計6種の情報が物理学的には正しく出力されていた。しかし、オイラー角から関節運動角度として解析するソフトに重大な問題があった。そのため、Sの情報を表計算ソフトを使って解析する方法を開発した。手間はかかるが、知りたい角度データが解析できるようになった。 3.測定用Sを身体に装着する方法を開発した:Sを装着用ベストを開発した。腕へのS装着は腕にパイルベルトを巻きそれにベルクロをつけたSを貼付する方法を開発した。 4.食事動作での関節運動角度の分析と代償運動の様式:スプーンを使った食事動作での前腕回旋運動、肘関節、肩関節の関節運動の測定を前腕回旋運動ならびに手関節の運動への制限がある場合と無い場合の測定を行った。その結果から、前腕運動の制限による肩関節で見られる代償動作を確認して、その関係を見出した。今後、今回開発した方法でデータの集積を行ってゆく予定である。
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