ニコチン型アセチルコリンレセプターアゴニストの細胞内カルシウムレベル変化に及ぼす影響を調べるためにFura-2を用いた培養アストロサイトの細胞内カルシウムモニタリングで、潅流液中にニコチン型アセチルコリンレセプターアゴニストであるmethylcarbamylcholineを加えると、約5分後に細胞内カルシウムレベルの上昇が観察された。methylcarbamylcholineのEC50は約70nMと考えられ、100nMではsubmaximalな効果が得られた。次にニコチン型アセチルコリンレセプターアゴニストの培養マイクログリアに対する機能を検討した。培養マイクログリアをエンドトキシンであるLPSで刺激すると、NOやTNF-αが発生することが知られている。培養マイクログリアに100ng/mlのLPSを加え、24時間後に培養液中に放出されたNO2とTNF-αを測定したが、methylcarbamylcholineの投与は影響を及ぼさなかった。次に培養マイクログリアにアデノシンレセプターアゴニストであるCl-adenosineを投与すると12時間後に細胞質内の断片化DNAが出現するが、methylcarbamylcholineを更に加えるとmethylcarbamylcholineの濃度に依存して、Cl-adenosineにより引き起こされるアポトーシスガ増強された。今後の研究としては更にmRNAレベルでのサイトカイン合成に対するアデノシンの影響を調べていきたい。
|