慢性馬尾圧迫モデルにおける代償性新生血管のハイブリダイゼーション法による定量化 20頭の雑種成犬を検討の対象とした。バルーン内にこんにゃくの原液を注入し、ATS-1000air compression systemにより10mmHgの圧力を馬尾に加えた。こんにゃくが固形化した後に、バルーンの頭尾側を結紮切離し、第7腰椎高位で馬尾に10mmHgの圧迫が加わることを確認した。1週間後に再手術を行い、圧迫部位と圧迫部位の頭尾側における馬尾を採取し、馬尾の血管を組織学的に観察した。パラフィン固定後に、組織切片を作成し、ハイブリダイゼーション法により、angiopoetinとVEGFを新生血管のマーカーとし、定量化を行った。慢性圧迫後の組織学的観察では、明らかな新生血管は存在しなかった。angiopoetinとVEGFは、両者とも増加していなかった。すなわち、慢性圧迫1週間の時点では、明らかな新生血管は認められないと考えられる。
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