研究概要 |
慢性関節リウマチ(RA)においてIL-1,IL-6,TNF-αやγIFNなどのサイトカインの発現が亢進している。 本年度においてはRAの疾患モデルであるコラーゲン関節炎をマウスに作成し、これらの炎症に関与するサイトカインのmRNA転写に必要とされる転写因子NF-κBの動態を解析した。 ウシII型コラーゲンをFreund′s incomplete adjuvantと混和してDBA/1Jマウスの尾根部に感作した。感作後3,5,7週にて各群5匹屠殺し膝関節を10%中性ホルマリンに固定、0.1M EDTAにて脱灰、パラフィン包埋後薄切し、抗NF-κB抗体を用いて免疫組織化学的に検討した。 感作後7週で全例に四肢の関節炎が発症した、滑膜表層細胞、軟骨細胞においてNF-κBの発現亢進が認められた。軟骨細胞におけるNF-κB陽性率は感作後3,5,7週でそれぞれ43.7%,68.0%,79.5%であり無処置群では51.1%であった。 関節炎の病態の把握および治療法の開発において転写因子NF-κBの解析が重要である。今後、本モデルにおいてNF-κBのアンチセンスオリゴヌクレオチドを使った治療法の開発を行う。
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