研究課題/領域番号 |
11671448
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
日下 義章 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (40205068)
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研究分担者 |
野口 昌彦 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (60208329)
瀬尾 芳輝 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90179317)
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キーワード | アキレス腱 / 水分子 / 双極子緩和 / コラーゲン線維 / 二量子フィルターNMR法 / 分子配向 / MRI |
研究概要 |
新しい核磁気共鳴画像法である二量子フィルターNMR(DQF-NMR)画像法を用いてアキレス腱修復過程を定量的に評価することを目的として研究した。 まず、家兎アキレス腱断裂モデルを作成し、3、9、13、18週経過後に各週5匹の家兎を安楽死させた。損傷アキレス腱を周囲組織とともに切離し、これを試料とした。MRIにてアキレス腱の損傷部を確認後、DQF-NMR画像法を用いて撮像した。より詳細なデータを得るために、試料より損傷アキレス腱を摘出、DQF-NMR信号を測定した。測定後、一部の損傷腱をホルマリン固定し、HE染色を施し、組織学的に検索した。 1)DQF-NMR画像:3週では画像上修復アキレス腱からの信号を認めなかったが、9、13、18週と成熟するにつれて、損傷アキレス腱からの信号強度が増大した。従来のMRI画像では9週時の画像で修復腱の信号は検出できず、正常腱組織と区別できなかった。DQF-NMR画像法では、展開時間(τ)を最適に設定することで正常腱組織と損傷腱組織を明瞭に区別できた。 2)DQF-NMR信号:3週ではDQF-NMR信号をほとんど検出できなかった。しかし9、13、18週と損傷アキレス腱が成熟するにつれて、コラーゲン線維の量と配向性に関係する損傷アキレス腱からの信号強度は高くなり、結合水の結合強度に関係するτ_<max>が短くなった。 3)組織学的検索:損傷腱組織が修復するにしたがって損傷腱組織内のコラーゲン線維の配向性が増大した。 以上によりDQF-NMR画像法を用いて、非侵襲的に損傷腱組織内のコラーゲン線維配向を定量化でき、また亜慢性期の損傷アキレス腱組織を明瞭に周囲の正常腱組織と区別できた。
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