• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

静脈皮弁の実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11671450
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

福居 顕宏  奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (90145847)

研究分担者 前田 学  奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (80311926)
稲田 有史  奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90254515)
キーワード静脈皮弁 / plasma / imbibition / 生着 / BrdU
研究概要

静脈皮弁生着の機序の解明のために、移植母床からの血行が再開されるまでの期間におけるplasmatic imbibitionの役割について検討をおこなった。BrdUを用いて全層植皮が皮弁同様に初期からplasmatic imbibitionによって栄養されていること、および結果としてこれら初期よりplasmatic imbibitionによって栄養されている部分が生着しえることが実験結果より明らかとなった。そこで臨床的にも生着の期待できない、血行の遮断された筋皮弁が、plasmatic imbibitionだけでは、初期より栄養されず、結果として壊死に陥ることを同様の手法を用いて証明した。ラット背側に4つの筋皮弁を作成し、2皮弁の血管束を切断し、血行の遮断した筋皮弁を作製した。これら血行のあるおよびない筋皮弁を、1,3,7日に採取し、BrdUの皮弁内への取り込みについて検討した。結果、初期よりBrdUの取り込みのない栄養されていないと考えられて血行のない皮弁は、全例壊死に陥った。一方初期よりの取り込みがあり、栄養されていた血行のある皮弁は生着した。このことから、臨床的にも、全層植皮が生着することおよび組織の量の多い筋皮弁が血行のない状態では、壊死に陥ることは、初期のBrdUの取り込みの有無に依存することが分かった。すなわち、初期のPlasmatic imbibitionによる栄養状態が、植皮片の生死を決める重要な因子であることが分かった。これらの結果を踏まえ、現在いかに栄養されているか知られていない静脈皮弁について、同様の手法を用いて検討中である。実験方法は、ラット背側に4つの皮弁を作成し、2皮弁を動脈神経を切断し静脈皮弁とし、残り2皮弁を動静脈神経を切断し、血行のない筋皮弁を作製した。これらを、3および7日後に採取しBrdUの取り込みについて免疫組織学的に検討するというものである。結果は、plasmatic imbibitionの範囲が、静脈を温存することにより拡大する傾向が分かったが、さらなる検討が必要である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M.Maeda,A.Fukui,Y.Inada, et al.: "Role of serum imbibition for skin graft survival."Plastic Reconstructive Surgery. 104. 2100-2107 (1999)

  • [文献書誌] 平井利幸,福居顕宏,玉井進,稲田有史: "通過静脈皮弁移植の実験的研究とその臨床応用"奈良医学会雑誌. 51-1. 46-59 (2000)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi