| 研究概要 |
1 変形性関節症患者リンパ球の各種軟骨由来蛋白との反応性
1)軟骨細胞分泌蛋白であるosteopontinに対する血清抗体がOA患者の9.5%,慢性関節リウマチ(RA)患者の15%に見い出された.
2)軟骨細胞分泌蛋白であるヒトYKL-39をrecombinant蛋白として発現させた.血清中抗hrYKL-39抗体はOAの11.1%,RAの11.8%に見い出された.抗hrYKL-39抗体抗体陽性患者の末梢単核球のhrYKL-39に対する反応性をthymidine uptakeで調べたところ,OAでは46%,RAでは17%に反応性が見い出された.また,最も強い抗原性はYKL-39蛋白を3分割したうち,N末端部分に見い出された.
3)加齢に伴い軟骨細胞から分泌されるintermediate layer protein(CILP)を,recombinant proteinのfragmentとして作製した(hrCILP C1,C2F1,C2F2,C2F3).血清中hrCILP抗体はOAの10.5%,RAの7.9%に認められた.OAにおける抗原性はhrCILP C2F2 fragmentに最も強く認められた.さらに,hrCILPでマウスを免疫したところ,慢性関節炎を惹起することができた.
4)プロテオグリカンであるdecorinに対する自己抗体は変形性関節症患者で特異的には認められなかった.
2 変形性関節症患者リンパ球の軟骨細胞との反応性
末梢単核球とX線照射自己軟骨細胞とを共培養したところOAでは正常者に比べて5.2倍高いthymidineの取り込みを示した.またOA患者T細胞を分離して共培養を行なっても高い反応性を示した.
この反応性は,抗CD4,CD8,HLA classI,classII抗体でブロックされた.
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