6週令雄Wistar ratの坐骨神経を切除したのち経時的に神経支配筋を採取し光顕TUNEL法にて筋核、筋衛星細胞のアポトーシスの評価を行った。結果、TUNEL陽性細胞は全体に少なく、筋線維タイプ別の筋核、筋衛星細胞におけるTUNEL陽性細胞数に優位な差を認めなかった。また透過型電子顕微鏡でも筋核、筋衛星細胞の典型的なアポトーシスの像は確認できなかった。このことから脱神経後2ヶ月までの早期に速筋線維が優位に萎縮するメカニズムにアポトーシスが関与している可能性は少ないと考えられた。 ところで、この実験モデルではほとんどマクロファージの出現がみられない。一方、局所麻酔剤を骨格筋に直接注入した際にマクロファージが出現し壊死した筋線維を貧食する。また筋線維は破壊されるにも関わらず筋線維の再生がみられる。そこで、マクロファージの動態、機能を調べることで、筋萎縮の発生と筋線維再生について何らかの知見が得られるのではないかと考え検討することとした。 現在、6週令雄Wistar ratの骨格筋に直接1回の局所麻酔剤(マーカイン)を注入したモデルで随時、試料を採取し、マクロファージについて組織化学、免疫組織化学、電子顕微鏡および分子生物学的手法を用いて調べている。
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