研究課題/領域番号 |
11671464
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
小宮 節郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30178371)
|
研究分担者 |
谷口 昇 鹿児島大学, 医学部, 医員
石堂 康弘 鹿児島大学, 医学部, 医員
伊藤 博史 鹿児島大学, 医学部, 助手 (40223177)
小戝 健一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (90258418)
|
キーワード | 骨肉腫 / 遺伝子治療 / 自殺遺伝子 / アデノウイルス / キメラベクター |
研究概要 |
本研究は骨軟部腫瘍に対する新しい治療法として癌遺伝子治療法の基礎的研究を行い、早期臨床応用を目指すものである。共同研究者の一人である小財はアデノウイルスベクターを用い自殺遺伝子とサイトカイン遺伝子を導入するコンビンネーション癌遺伝子治療法の有効性を世界で初めて開発し(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,92:2577-2581,1995)、その治療法の有効性を種々の癌に対して実験的に証明してきた。さらに飛躍的な治療効果をあげるべく、新しい手法の開発に取り組んでいる。本年度は骨肉腫に対して、従来のコンビネーション癌遺伝子治療法の臨床応用を目指す研究を先ず行った。この手法は、p53遺伝子導入等による腫瘍細胞の正常化をねらう方法と違い、腫瘍細胞を直接殺傷化し、さらにバイスタンダー効果をも期待できるものであり、腫瘍細胞全体に導入されなくても、治療効果はかなり高く、非常に実用的である。骨肉腫細胞株4株に対して1)Pro-drugのガンシンクロビルの取り込み2)Herpes simplex virus thymidune kinase(HSV-tk)遺伝子のadenovial vectorへの取り込み 3)Adenoviral vectorの上記細胞へのtransfectionを行い、導入効率を90%以上にすることができた。細胞死も平均80%にもたらすことができた。一方、in vivoの実験系も確立すべく、ヌードマウスへの骨肉腫可植系も作成した。現在、同系マウスへの可植系も作成中である。また、マウス可植が報告されている骨肉腫細胞株についても実験系に組み込み検討を開始している。 次年度には骨肉腫に発現が強い幾つかの遺伝子を選び、その遺伝子の発現(つまり骨肉腫)依存的に増殖するアデノウイルスベクターを種々作製し、100%癌細胞へのin vivoでの遺伝子導入を目指す予定である。
|