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2000 年度 実績報告書

敗血症誘発性循環機能不全機構の細胞・分子薬理的解明

研究課題

研究課題/領域番号 11671473
研究機関北海道大学

研究代表者

丸藤 哲  北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30125306)

研究分担者 服部 裕一  北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50156361)
キーワード敗血症 / ショック / β受容体 / 細胞内情報伝達系 / NO / アデニレートシクラーゼ / G蛋白質
研究概要

敗血症性ショックにおけるβ受容体を介した陽性変力作用減弱が、同受容体細胞内情報伝達系のどの部位においていかなる機序により生じているかを薬理学的および分子生物学的手法を用いることにより体系的に解明する事を目的とした。New Zealand白色家兎にエンドトキシンを静注し敗血症性ショックを作成し、静注後3および6時間後の摘出右室乳頭筋を使用した。薬物はIsoproterenol(Isp),colforsin daropate(CD),dBcAMP、NOS合成阻害薬(N^G-nitro-L-argi nin:L-NNA)を使用した。薬物刺激による陽性変力作用、Adnylate cyclase(AC)活性測定、β受容体結合飽和実験、Gs,Gi蛋白のWestern,Northern blot解析を施行した。これらの検討により敗血症性ショックにおいて、L-NNA前処置の影響を受けないIspによる陽性変力作用・AC活性の低下、CD,dBcAMP陽性変力作用・AC活性の保持、β受容体数・親和性の保持、Gi蛋白に著変を認めないGs蛋白量およびmRNAの減少を認めた。この結果は敗血症性ショックにおいてはNOの直接作用によらないβ受容体を介した陽性変力作用の低下があり、この機序としてGs蛋白質の転写段階からの減少によることが証明された。臨床的には、抗ショック療法としてAC刺激薬、PDE阻害薬、Ca^<2+>感受性増強薬等の有効性が示唆された。今後の研究の展望として、敗血症性ショックにおけるこのβ受容体細胞内情報伝達系の変化を惹起する、NO以外の物質の同定を行う必要があると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 松田直之,他: "敗血症性初期動物モデルにおける心筋βアドレナリン受容体を介した陽性変力減弱に関する検討"循環制御. 20. 18-25 (1999)

  • [文献書誌] MATSUDA Naoyuki, et al: "Impairment of cardiac β-adrenoceptor cellular signaling by decreased expression of Gs in septic rabbits."Anesthesiology. 93. 1465-1473 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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