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2000 年度 実績報告書

脳虚血に対する軽度低体温、バルビツレートの保護効果-神経系細胞を用いた解析-

研究課題

研究課題/領域番号 11671474
研究機関北海道大学

研究代表者

森本 裕二  北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (00250457)

研究分担者 渡辺 智  北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20292005)
キーワード脳虚血 / バルビツレート / アポトーシス / 活性酸素 / カスペース / PC12細胞
研究概要

33度前後の軽度低体温の脳虚血に対する脳保護効果は、現在内外で大きく注目されている。また、静脈麻酔薬の一つであるバルビツレートにも脳保護効果があるとされている。しかし、保護効果の機序については依然確定していない。一方、昨今、脳虚血による細胞死はネクローシス以外に、アポトーシスの形態をとることが報告されている。申請者らは「軽度低体温やバルビツレートが何らかの機序によりアポトーシスを抑制し、その結果脳虚血に対する保護効果を発揮する」という仮説を立てた。そこで神経系細胞(PC12細胞)を使い血清除去によりアポトーシスを誘導し、平成11年度は低体温の影響を検討した。本年(平成12年度)はバルビツレートの影響を検討した。LDH活性による細胞傷害率、flow cytometryでDNA含量を測定するすることによるアポトーシス細胞の割合を測定した。その結果、臨床濃度のペントバルビタールは細胞傷害率、アポトーシスの割合は低下した。その機序として以下の2つを測定した。
(1) 活性酸素産生の測定
細胞内活性酸素の特異的蛍光指示薬であるC-DCDHF-DAを細胞に添加し、細胞内活性酸素量をフローサイトメトリーにより測定した。アポトーシス誘導により細胞内活性酸素量は約2倍となった。アポトーシス誘導6時間後臨床濃度のペントバルビタールは細胞内活性酸素量を有意に抑制した。
(2) カスペース3活性の測定
特異的合成ペプチド蛍光基質の切断を蛍光により測定し、カスペース3活性を測定した。アポトーシス誘導によりカスペース3活性は増加したがぺントバルビタールにより抑制されなかった。
以上より神経系細胞におけるぺントバルビタールのアポトーシス抑制機序は、活性酸素産生抑制が関与していると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Morimoto, Y: "Pentobarbital inhibits apoptosis in neuranal cells."Crtieal Care Med. 28 icine. 1899-1904 (2000)

  • [文献書誌] 森本裕二: "脳虚血に対するパントバルビタール,ミダゾラムの保護効果の機序-アポトーシス抑制の可能性-"循環制御. 20 : 2. 255-258 (1999)

  • [文献書誌] Morinoto, Y: "Inhibition of production of reactive oxrgen species and caspuse activation may not be the mechanisms protective eftect of hypothermia on neuronal apoptosis"European J.Anaesthesiology. 17 : 2. 91 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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