研究課題/領域番号 |
11671484
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
せん 仁知 新潟大学, 医学部, 助手 (20303125)
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研究分担者 |
冨士原 秀善 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (20251803)
下地 恒毅 新潟大学, 医学部, 教授 (30040158)
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キーワード | 脳虚血耐性 / 虚血前処置 / 微小脳損傷 / アポトーシス / ミトコンドリア / チトクロームc / カスパーゼ |
研究概要 |
平成11年度にラット前脳虚血モデルにおいて微小損傷による脳虚血保護作用を確認した上で、虚血後に起こるチトクロームc放出とカスパーゼ-3活性化に対する微小脳損傷及び虚血前処置の効果を比較し検討した。 1.ラット前脳虚血モデルにおいて微小脳損傷が損傷部位の周りあるいは損傷した半脳に内因性抗アポトーシス機序を誘起できることを認められた。今更に、この内因性抗アポトーシス機序と微小脳損傷によるinterleukin-6発現との関連について検討している。 2.いままで、虚血前処置の研究では砂ネズミが多用されるが、生理parameterの測定が難しいという欠点はある。それで、われわれはラットを用いて前脳虚血前処置モデルを作成した。このモデルでは血液ガスと血糖が便利に測定できる。 3.培養の細胞系ではアポトーシス細胞死にミトコンドリアから細胞質へのチトクロームc放出が重要な役割を演じると知られている。正常のCA1ニューロンにはチトクロームcの免疫染色分布は細胞質に局在し、細胞核からはっきり分離していた。虚血後48時間以内にチトクロームcの免疫染色は低下したが、その分布パターンはかわらなかった。虚血後48-72時間の時点ではチトクロームcの免疫染色は一部のCA1ニューロンにdiffuseな分布に変わった。シクロヘキシミド投与下では一部のCA1ニューロンに起こったdiffuseなチトクロームc分布が抑制されたが、虚血後24時間以内に起こったチトクロームc放出が変わらなかった。なお、海馬組織内のカスパーゼ-3活性は虚血24時間後から増えた。ですから、虚血後に生じるチトクロームc放出が海馬CA1ニューロン死とかかわる。微小脳損傷及び虚血前処置は虚血後に生じるチトクロームc放出およびカスパーゼ-3活性化を抑制した。 以上の結果より、微小脳損傷及び虚血前処置による抗虚血作用には共通の分子機序が存在することは証明された。今後、微小脳損傷及び虚血前処置によるチトクロームc放出抑制の機序(Bc1-2familyタンパク質およびinterleukin-6との関連)についての検索が予定されている。
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