研究概要 |
これまでに提唱されている神経因性疼痛の動物モデルにはさまざまなものがある。このうち、末梢神経損傷によるモデルは(1)完全神経切断モデルと(2)部分的神経損傷モデルに2大別される。(2)の代表的なものとしては(2)-1:chronic constriction model,(2)-2:partial ligation injury model,(2)-3:segmental spinal injury modelなどがこれまで報告されている。しかし、いずれの報告も比較的大型のラットを用いた報告がほとんどであり、マウスでの報告例は少ない。このため平成11年度は、以上3種の部分的神経損傷モデルのうち、どのモデルが小型のマウスにおいて効率よく神経因性疼痛モデルを作製できるかを中心に検討した。その結果、Selzer(1990)らが報告した(2)-2:partial ligation injury modelが比較的効率よくモデル動物を作成できることが示唆された。 また、本年度は神経因性疼痛との関連が示唆されているc-fos発現検定の予備実験として扁平上皮癌由来のA431細胞を培養し、12-O-Tetradecanoylphorbol-13-acetate(TPA)処理しc-Fos蛋白に対する抗体を用いて、c-fos発現のpositive controlの作製を行った。
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