研究課題/領域番号 |
11671495
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
内田 一郎 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00232843)
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研究分担者 |
竹之下 真 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00144486)
真下 節 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60157188)
吉矢 生人 大阪大学, 医学部・附属病院, 教授 (80028505)
柴田 政彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50216016)
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キーワード | 慢性疼痛 / ナトリウムチャンネル / 局所麻酔薬 / 電気生理学 / 分子生物学 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
近年、動物を使った実験的疼痛モデルにおいて、痛覚伝達に関与する末梢および中枢神経系の種々な機能的、構造的変化が伴うことが、少しずつ解明されてきた。特に、感覚神経特異的(Sensory-Neuron-Specific:SNS)Naチャンネルの炎症性および神経因性疼痛における役割について注目されている。SNS-Naチャンネルは、後根神経節(DRG)と三叉神経節の細い神経線維(C線維)に特異的に発現するテトロドトキシン抵抗性(TTXr)の電位依存性Naチャンネルであり、1996年にWoodらのグループにより最初にクローニングされ、その一次構造は解明されている(Akopian et al,Nature 1996)。最近、このNaチャンネルの発現増加や機能的な変化が、侵害性刺激に対する過敏反応(痛覚過敏)や疼痛閾値の低下(アロデイニア)の発症に関与していることが示唆されている。 今年度は、我々は、Wood博士より、SNS-Naチャンネルのクローンを供与され、このNaチャンネルの基本的な薬理学的な評価をすべくアフリカ卵母細胞に発現させた。臨床上、慢性疼痛に使用される局所麻酔薬やテグレトール等のNaチャンネルブロッカーのSNA-Naチャンネルへの作用を検討中である。 また、ラットにおける実験的慢性疼痛モデル(Chungモデルおよびカラギーナンモデル)を作製し、基本的な慢性疼痛評価法を確立し、神経細胞へのin vivo導入の可能なアデノウイルスを用いて、SNS Naに対する相補的DNA(アンチセンス)にてSNS NaチャンネルのmRNAレベルで抑制したり、あるいはSNS-Naチャンネルの全シークエンスDNAを挿入してSNS-Naチャンネルの発現を増加させる(チャンネルレスキュー)実験の準備が整いつつある。
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