研究概要 |
1.on-line NO測定システムの再構築 呼気N0濃度波形(C_0)は、測定器の反応時間に由来する歪みが生じるため、それを補正しないon-line N0測定には誤差が生じていることが明らかとなったので、two-exponential correctionによる波形補正を行うための実験を行った。その結果、C=C_0+(τ_1+τ_2)dC_0/dt+τ_1τ_2d^2C_0/dt^2[C : corrected NO concentration, C_0 : original NO concentration, τ_1=0.121±0.009 sec, τ_2=0.566±0.008sec, delay time=2.168±0.074.sec]の補正式が得られたので、on-line NO測定システムを再構築した。 2.モデル肺での検討 呼気N0測定精度を、患者シミュレーター(METI, Florida, USA)の肺ガス成分にN0ガスを持続的に加えて、NO産生を模擬し、条件を変えた自発呼吸と人工呼吸下で、呼気NOをon-line測定した。肺胞内濃度(INO)の検出については、ETC0_2を3段階に変化させ検討した。自発呼吸下では、pNO=-1.14+1.07*INO ; R^2=0.99,p<0.0001,mNO=-1.24+0.65*INO : R^2=0.96,p<0.0001、人工呼吸下では、pN0=-0.76+1.06*IN0 ; R^2=0.99,p<0.0001,mNO=-0.94+0.67*INO : R^2=0.98,p<0.0001で、いずれも最大呼気NO濃度(pNO)が良くINOを反映した。 NO産生量(infused rate of NO)の検出については、ETCO_2を一定とし呼吸パターンを変化させて検討した。自発呼吸下では、VNO=9.81+0.85*infused rate of NO ; R^2=0.81,p<0.0001、人工呼吸下では、VNO=3.01+O.95*infused rate of NO ; R^2=0.87,P<0.0001で、いずれもVNOは肺に投与されたNO量を良く反映した。
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