研究課題/領域番号 |
11671501
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大下 修造 徳島大学, 医学部, 教授 (60144945)
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研究分担者 |
中屋 豊 徳島大学, 医学部, 教授 (50136222)
北畑 洋 徳島大学, 医学部, 助教授 (60161486)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 先行虚血 / 心筋保護効果 / パッチクランプ法 / ATP感受性Kチャネル / 静脈麻酔薬 / プロポフォール |
研究概要 |
ラットの単一心室筋細胞における細胞膜ATP感受性K(K_<ATP>)チャネル活性をパッチクランプ法により記録し、静脈麻酔薬であるプロポフォールの細胞膜K_<ATP>チャネルに対する影響について検討するとともに、ischemic preconditioning(IPC)の心筋保護作用に細胞膜K_<ATP>チャネルがどの程度関与しているか検討した。プロポフォールは、cell-attached法においてK_<ATP>チャネル活性を濃度依存性に抑制した。また、inside-out法においても同様に、プロポフォールはK_<ATP>チャネル活性を濃度依存性に抑制した。以上の結果は、プロポフォールの作用が細胞内伝達物質などを介さずにK_<ATP>チャネルを直接抑制している可能性を示唆している。次に、先行虚血の心筋保護作用に細胞膜K_<ATP>チャネルがどの程度関与しているか検討するため、単一心室筋細胞を15分間虚血にした群(対照群)と、5分間虚血、5分間再灌流、5分間再虚血にした群(先行虚血群)のK_<ATP>チャネル活性の変化を比較検討した。虚血モデルとしてcell-attached法の場合はATP合成阻害薬である2,4-dinitrophenol(DNP)を使用し、inside-out法の場合は低ATP濃度の溶液で灌流した。Cell-attached法においては、対照群では緩やかに開口率が上昇するのに対して、先行虚血群では有意に2回目の虚血での開口率の上昇が認められた。Inside-out法の場合、対照群と先行虚血群で有意な開口率の変化は認められなかった。以上の結果より、IPCの心筋保護効果は先行した虚血による刺激が、それに引き続いた虚血時に開口率を上昇させるという細胞膜K_<ATP>チャネルの特性により生じ、この特性は細胞膜K_<ATP>チャネルに対する直接作用ではなく細胞内伝達系を介してもたらされる可能性が考えられる。
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