研究課題/領域番号 |
11671517
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
浅田 章 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00047367)
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研究分担者 |
小田 裕 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70214145)
田中 和夫 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90285297)
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キーワード | プロポフォール / ミダゾラム / チトクローム8450 / P4502B6 |
研究概要 |
敗血症による多臓器不全に伴い、各種薬物の体内動態が変化する。そこで先ず、麻酔薬の薬物動態の変化を検討する目的で、各種病態下での鎮静薬として多用されるプロポフォールの、肝臓での代謝酵素の同定を試みた。従来の試行的研究からはプロポフォールの代謝にはチトクロームP450(CYP)2Cが関与しているとされてきたが、今回のヒト肝臓のミクロゾームおよぴ各種P450発現ミクロゾーム、モノクローナル抗体を用いた研究から、プロポフォールの代謝には、他の静脈内麻酔薬や吸入麻酔薬の代謝に関与しているCYP3A4やCYP2Eでなく、CYP2B6が関与しており、CYP2Cの関与は少ないことが新たに明らかになった(Oda Y.Br J Clin Pharmacol)。また、ミダゾラムはプロポフォールによってその代謝が競合阻害を受けて体内薬物動態が変化するため、ミダゾラムの代謝におけるCYP2B6やCYP2C9の関与の有無を検討したが、これらのP450分子種の関与は無いことが明らかにされた(Hamaoka N.Br J Anaesth)。さらに、ラットを用いてプロポフォールを含めた静脈内麻酔薬の薬物動態を検討する目的でモデルを作成した。本モデルは全身麻酔下で頚動静脈にカテーテルを挿入した後に覚醒させたもので、血液ガスや血圧を一定に保った上で各種刺激に対する反応と薬物動態の関係を明らかにすることができる。本モデルに対してリポポリサッカライドを投与することによって敗血症モデルを作成することができると考えられる。また、末梢血リンパ球中のCYP3A4mRNAが肝臓のCYP3A4活性と相関することが判明しているため、血液からのmRNAの抽出、CYP3A4mRNAの定量を行い、リポポリサッカライドの投与によるこれらの変化を検討する予定である。
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