天然型IL-18cDNAを含むplasmidを林原研究所より譲り受けました。天然型IL-18cDNAはそのままではsignal sequenceを有さないため、mouse genomic DNAよりInterferon α signal sequenceに相当する部分をPCRにてつり上げ、overlap extension法を用いてhybrid cDNA(分泌型IL-18cDNA)を作成しました。天然型、分泌型IL-18cDNAをそれぞれ哺乳動物細胞のexpression vectorに組み込みました。 IL-18に分泌能をチェックするため、COS7細胞を用い、天然型、分泌型IL-18cDNAを組み込んだexpression vectorをリン酸カルシウム法を用いてtransfectionし、培養上清中へのIL-18分泌能をELISA法にて測定しました。この結果分泌型IL-18cDNAを導入した群においてのみ培養上清中でのIL-18の活性が確かめられました。そこで、マウス腎癌細胞株に天然型および分泌型双方のIL-18cDNAをtransfectionし、多数のstable transformantを得ました。それぞれのクローンにつき培養上清中のIL-18の活性をELISA法にて測定し、positive cloneを選出しました。一方、天然型IL-18cDNAをtransfectionした群においては培養上清中ではIL-18を検出できないので、northern blotting法を用いてIL-18cDNAの発現を調べ、分泌型IL-18cDNAを導入したpositive cloneとほぼ同等のmessageを有するものをpositive cloneとして選出しました。今後、これらのtransformantにつき、in vitroおよびin vivoでの腫瘍増殖能につき検討を加える予定です。
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