研究概要 |
環境ホルモンと称される外因性内分泌撹乱物質が,オゾン層破壊,温暖化につづく第3の地球環境問題として注目を集めている。今回われわれは外因性内分泌攪乱物質のなかでもとくにダイオキシンに注目し,男子生殖器奇形児のダイオキシン暴露量の指標として,奇形児を出生した母親の血液中のダイオキシン濃度の測定を行う計画を立ててきた。 外因性内分泌攪乱物質が,母体内の内分泌環境を攪乱し,胎児の正常な生殖腺の分化および外陰部形成を抑制し,生殖器奇形を起こす直接的な原因となりうる可能性を想定し,本年度の研究を計画した。 本年度は尿道下裂という性分化異常を有する患者の母親の血中ダイオキシン濃度を測定し,その暴露が,出生した患者の性分化異常,外陰部奇跡の発生に関与しているかについての調査を開始した。現在,患者2名の母親にインホームドコンセントを行い,同意が得られたので、研究をスタートしたところであり,来年度に継続していく予定である。
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