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2001 年度 実績報告書

芳香族アミン曝露者に発生する尿路上皮腫瘍の分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11671577
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

新家 俊明  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00073718)

研究分担者 稲垣 武  和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (30254543)
キーワード職業性尿路上皮癌 / 芳香族アミン / ベンチジン / p53蛋白過剰発現 / p53遺伝子突然変異 / DNA sequence analysis
研究概要

化学染料工場においてベンチジンなどの芳香族アミンに曝露し、その後尿路上皮癌を発症した職業性尿路上皮癌は、自然発生尿路上皮癌と比較してさまざまな生物学的行動が異なることを報告してきた。しかし、従来の病理組織学的検査ではその差を特定できなかった。
本研究では、自然発生尿路上皮癌と職業性尿路上皮癌組織において免疫組織染色によるp53過剰発現とDNA sequence analysisによるp53遺伝子突然変異を検討し、両者における差を検証した。
p53過剰発現陽性率は自然発生尿路上皮癌(123症例)で42.3%であるのに対し、職業性尿路上皮癌(27症例)では66.7%と有意に高い陽性率を示した(p=0.02)。p53遺伝子変異は、自然発生尿路上皮癌29例中2例(exon 6 codon 205,A to G ; exon 8 codon 271,G to A)で、職業性尿路上皮癌21例中5例(exon 8 codon 271,G to A2例;exon 7 codon 239,A to G ; exon 5 codon 149,C to T ; exon 5 codon181,G to C)でみとめられた。有意差は見られなかったが、職業性尿路上皮癌においてp53遺伝子突然変異の頻度が高かった。また、p53遺伝子変異のexon 7 codon 239,A to Gとexon 5 codon 149,C to Tとexon s codon181,G to Cは、職業性尿路上皮癌においてのみ見られることより、これは多量の芳香族アミンに曝露されて発生した尿路上皮癌に特徴的な遺伝子変異かも知れない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 新家俊明: "職業性尿路上皮癌-化学染料工場に発生する尿路上皮癌-"臨床泌尿器科. 54. 273-281 (2000)

  • [文献書誌] Shinka T, et al.: "Relationship between glutathione S-transferase M1 deficiency and urothelial cancer in dye workers exposed to aromatic amines"Journal of Urology. 159. 380-383 (1998)

  • [文献書誌] Inagaki T, et al.: "PCNA and p53 in urinary bladder cancer : Correlation with histological findings and prognosis"International Journal of Urology. 4. 172-177 (1997)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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