研究課題/領域番号 |
11671579
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
頴川 晋 北里大学, 医学部, 講師 (60160347)
|
研究分担者 |
馬場 志郎 北里大学, 医学部, 教授 (00051889)
岩村 正嗣 北里大学, 医学部, 講師 (20176564)
内田 豊昭 北里大学, 医学部, 講師 (70146489)
高垣 洋太郎 北里大学, 医学部, 教授 (50281324)
|
キーワード | 前立腺癌 / 癌特異遺伝子 / クローニング |
研究概要 |
我々は新規発現遺伝子を見つけだすために人の前立腺癌組織よりAcid-Guanidinium-Thiocyanate-Phenol-Chloroform(AGPC)法によってtotal RNAを抽出し、異なる条件下の細胞で発現しているpoly(A)tailを持つmRNAの差異を見つけるためにDifferetial Display(DD)法を行い、次に蛍光イメージアナライザーにて解析、300pb以上の癌特異的で差異の強いバンド96個を切り出した。これらをさらに分離、精製してその内の18サンプルを、pGEM-T Easy VectorにTA-Cloningし、ゲノムDNAシークエンスより得られた結果をジーンバンクのデータと比較、検索を行った。シークエンスより得られた遺伝子配列よりプローブを設計し、我々が作成したcDNAライブラリーのオリゴヌクレオチドプローブを用いたハイブリダイゼーションによるスクリーニングも行った。遺伝子のクローニングをしたうちの1サンプルが、Human Lactoferin mRNA(Accession No. M93150)2360bpの3端末に近い361bpと同一であることが確認された。また、他の臨床検体に対するLacfoferinの発現の有無を確認するため、ノーザンハイブリダイゼーションおよびRT-PCRを行った。この結果、正常組織においての同遺伝子の発現は、骨格筋、胸腺、脾臓、肝臓、肺、骨髄、乳腺、前立腺、胃、気管に見られた。RT-PCR解析では、前立腺癌10例中5例に発現が認められた。前立腺癌でのLactoferin発現には個体差がありLactoferin発現は一様ではないことが示唆された。現在、臨床情報と対照して意義を検討中である。
|